第二十八帖 野分 光る源氏の太政大臣時代三十六歳の秋野分の物語 |
||||
# |
注釈番号 |
注釈見出し |
注釈 |
|
第一章 夕霧の物語 継母垣間見の物語 |
||||
第一段 八月野分の襲来 |
||||
1.1.1 | 注釈1 | 【中宮の御前に】 | 今上(冷泉院)の中宮(秋好中宮)。その里邸六条院秋の御殿。 | |
1.1.1 | 注釈2 | 【植ゑさせたまへる】 | 二重敬語、中宮への重々しい待遇。 | |
1.1.1 | 注釈3 | 【朝夕露の光も世の常ならず、玉かとかかやきて】 | 「植ゑたてて君がしめゆふ花なれば玉と見えてや露もおくらむ」(後撰集秋中、二八〇、伊勢) | |
1.1.2 | 注釈4 | 【春秋の争ひに、昔より秋に心寄する人は数まさりけるを】 | 「ふゆごもり 春さりくれば なかざりし 鳥もきなきぬ さかざりし 花もさけれど 山をしげみ いりてもとらず 草ふかみ とりても見えず 秋山の 木のはを見ては もみぢをば とりてぞしのぶ あをきをば おきてぞなげく そこしうらみし 秋山ぞわれは」(万葉集巻一、一六)。「春はただ花のひとへに咲くばかり物のあはれは秋ぞまされりける(拾遺集雑下、五一一、読人しらず)。「春はただ花こそは散れ野辺ごと錦を張れる秋はまされり」(河海抄所引、出典未詳)。 | |
1.1.2 | 注釈5 | 【名立たる】 | 「数知らず君が齢をのばへつつ名立たる宿の露とならなむ」(後撰集秋下、三九四、伊勢)。「露だにも名立たる宿の菊ならば花の主やいくよなるらむ(後撰集秋下、三九五、藤原雅正) | |
1.1.2 | 注釈6 | 【春の御前】 | 六条院春の御殿。 | |
1.1.2 | 注釈7 | 【移ろふけしき、世のありさまに似たり】 | 「色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞありける」(古今集恋五、七九五、伊勢) | |
1.1.3 | 注釈8 | 【里居したまふ】 | 中宮への重々しい待遇から普通の敬語になる。 | |
1.1.3 | 注釈9 | 【故前坊】 | 中宮の父、故前皇太子。 | |
1.1.4 | 注釈10 | 【露の玉の緒乱るる】 | 「白露に風の吹きしく秋の野は貫きとめぬ玉ぞ散りける」(後撰集秋中、三〇八、文屋朝康)。「玉の緒」は歌語。 | |
1.1.4 | 注釈11 | 【おほふばかりの袖は】 | 「大空に覆ふばかりの袖もがな春さく花を風にまかせじ」(後撰集春中、六四、読人しらず) | |
第二段 夕霧、紫の上を垣間見る |
||||
1.2.1 | 注釈12 | 【南の御殿にも】 | 六条院南の御殿、すなわち春の御殿、紫の上方。 | |
1.2.1 | 注釈13 | 【もとあらの小萩、はしたなく待ちえたる風のけしきなり】 | 「宮城野のもとあらの小萩露を重み風を待つごと君をこそまて」(古今集恋四、六九四、読人しらず) | |
1.2.1 | 注釈14 | 【折れ返り、露もとまるまじく】 | 「折れ返り」「露」は、「萩」の縁語。 | |
1.2.2 | 注釈15 | 【姫君】 | 源氏の娘(明石の姫君)、八歳。 | |
1.2.2 | 注釈16 | 【中将の君】 | 源氏の子息(夕霧)、従四位下相当官、十五歳。 | |
1.2.2 | 注釈17 | 【東の渡殿】 | 寝殿と東の対を繋ぐ渡殿。 | |
1.2.2 | 注釈18 | 【妻戸】 | 建物の四隅にある開き戸。 | |
1.2.3 | 注釈19 | 【御屏風も】 | 以下、夕霧の眼を通して語られる。 | |
1.2.3 | 注釈20 | 【廂の御座】 | 寝殿の南廂の御座所。 | |
1.2.3 | 注釈21 | 【気高くきよらに】 | 「気高し」は上品でおかしがたい感じ。「清ら」は源氏物語では天皇・皇族の超一流の美に対して使われる表現。 | |
1.2.3 | 注釈22 | 【春の曙の霞の間より、おもしろき樺桜の咲き乱れたるを見る心地す】 | 「浅緑野辺の霞はつつめどもこぼれて匂ふ花桜かな」(拾遺集春、四〇、読人しらず)。「山桜霞の間よりほのかにも見てし人こそ恋しかりけれ」(古今集恋一、四七九、貫之)。 | |
1.2.4 | 注釈23 | 【いかにしたるにかあらむ】 | 夕霧の疑問、同時に語り手の疑問を介入させた句。 | |
1.2.5 | 注釈24 | 【大臣の】 | 以下「なりけり」まで、夕霧の心内。 | |
1.2.6 | 注釈25 | 【西の御方より】 | 姫君のお部屋から。すなわち、ここは東西に細長い寝殿。姫君は西の間に、紫の上は東の間にいる。 | |
1.2.7 | 注釈26 | 【いとうたて】 | 以下「あらはにもこそあれ」まで、源氏の紫の上への詞。 | |
1.2.8 | 注釈27 | 【もの聞こえて】 | 以下、夕霧の眼を通して語られる。 | |
1.2.9 | 注釈28 | 【女もねびととのひ】 | 夕霧の眼は「女」と捉えている。 | |
1.2.12 | 注釈29 | 【年ごろかかることの】 | 以下「見つるかな」まで、夕霧の心内。 | |
第三段 夕霧、三条宮邸へ赴く |
||||
1.3.1 | 注釈30 | 【人びと参りて】 | 家司たち。 | |
1.3.2 | 注釈31 | 【いといかめしう】 | 以下「危ふげになむ」まで、家司たちの詞。 | |
1.3.2 | 注釈32 | 【馬場の御殿、南の釣殿】 | 六条院丑寅の町に夏の御殿として馬場殿と釣殿があり、花散里が住む。 | |
1.3.4 | 注釈33 | 【中将は、いづこよりものしつるぞ】 | 「中将」は夕霧。源氏の詞。 | |
1.3.5 | 注釈34 | 【三条の宮に】 | 以下「まかではべりなむ」まで、夕霧の詞。三条の宮には夕霧の祖母大宮がいる。七十歳前後。 | |
1.3.7 | 注釈35 | 【げに、はや】 | 以下「こそあれ」まで、源氏の詞。 | |
1.3.9 | 注釈36 | 【かく騒がしげに】 | 以下「譲りてなむ」まで、源氏の伝言。 | |
1.3.9 | 注釈37 | 【朝臣】 | 親しみをこめて呼ぶ時に用いる。 | |
1.3.11 | 注釈38 | 【三条宮と六条院とに参りて、御覧ぜられたまはぬ日なし】 | 夕霧の祖母大宮は母親代わりとなって育てた。「凡そ病患有るに非んば日々必ず親に謁すべし」(九条殿遺誡)。 | |
1.3.11 | 注釈39 | 【かかる空のけしきにより】 | 「大風疾雨雷鳴地震水火の変、非常の時は早く親を訪ひ、次に朝に参る」(九条殿遺誡)。 | |
1.3.13 | 注釈40 | 【ここらの齢に】 | 以下「あはざりつれ」まで、大宮の詞。 | |
1.3.15 | 注釈41 | 【大きなる木の枝などの--かくてものしたまへること】 | 大宮の詞。『集成』『新大系』は「かくてものしたまへること」を大宮の詞とする。 | |
1.3.16 | 注釈42 | 【そこら所狭かりし御勢ひ】 | 大宮は、帝(桐壷)の妹宮、太政大臣の北の方。今は、未亡人、孫の中将(夕霧)一人を頼りとする。 | |
1.3.16 | 注釈43 | 【内の大殿の御けはひ】 | 大宮の嫡男、内大臣。元右大臣の四君に婿入りし、以後別居生活となる。 | |
1.3.17 | 注釈44 | 【心にかけて恋しと思ふ人】 | 夕霧が。伯父内大臣の娘、従兄妹にあたる人(雲居雁)。 | |
1.3.17 | 注釈45 | 【ありつる御面影】 | 継母(紫の上)の面影。 | |
1.3.20 | 注釈46 | 【来し方行く末】 | 以下「いとほし」まで、夕霧の心内。 | |
1.3.20 | 注釈47 | 【東の御方】 | 六条院東北の町の御方、すなわち夕霧の母代の花散里。 | |
1.3.22 | 注釈48 | 【さやうならむ人】 | 以下「延びなむかし」まで、夕霧の心内。 | |
第四段 夕霧、暁方に六条院へ戻る |
||||
1.4.2 | 注釈49 | 【六条院には】 | 以下「倒れたり」まで、人々の声。 | |
1.4.4 | 注釈50 | 【風の】 | 以下「思されつらむ」まで、夕霧の心内。 | |
1.4.7 | 注釈51 | 【何ごとぞや。またわが心に思ひ加はれるよ】 | 夕霧の心内。 | |
1.4.7 | 注釈52 | 【いと似げなきことなりけり。あな、もの狂ほし】 | 夕霧の心内。 | |
1.4.8 | 注釈53 | 【懼ぢ極じて】 | 『集成』は「極(ごう)」は「極(ごく)」の音便、疲れる意、『完訳』は通説の「困(こう)じて」とする。「極(ごう)ず」が適切。 | |
1.4.8 | 注釈54 | 【まだ御格子も参らず】 | 御簾を上げてない。 | |
1.4.11 | 注釈55 | 【中将の】 | 以下「深からむ」まで、源氏の詞。 | |
1.4.12 | 注釈56 | 【何ごとにかあらむ】 | 以下「笑ひたまひて」まで、夕霧と語手の疑問が一体になった表現。 | |
1.4.13 | 注釈57 | 【いにしへだに】 | 以下「心苦しからむ」まで、源氏の詞。 | |
1.4.14 | 注釈58 | 【ゆるびなき御仲らひかな】 | 夕霧の感想。 | |
第五段 源氏、夕霧と語る |
||||
1.5.2 | 注釈59 | 【いかにぞ】 | 以下「たまひきや」まで、源氏の詞。 | |
1.5.3 | 注釈60 | 【しか】 | 以下「こそはべれ」まで、夕霧の詞。 | |
1.5.5 | 注釈61 | 【今いくばくも】 | 以下「ことはかたかりける」まで、源氏の詞。 | |
1.5.7 | 注釈62 | 【いとおどろおどろしかりつる】 | 以下「さぶらひつらむや」まで、源氏の詞。 | |
1.5.9 | 注釈63 | 【夜の風の音は】 | 以下「ほどになむ」まで、源氏の中宮への伝言。 | |
第六段 夕霧、中宮を見舞う |
||||
1.6.2 | 注釈64 | 【うちとけたるはいかがあらむ】 | 語り手の推測。 | |
1.6.2 | 注釈65 | 【さやかならぬ明けぼののほど】 | 大島本は「あけほの(ほの=くれイ)ゝほと」とある。すなわち異本には「くれ」とあると傍記する。『新大系』は底本の本行本文に従う。『集成』『古典セレクション』は諸本に従って「明けぐれ」とする。 | |
1.6.5 | 注釈66 | 【御参りのほど】 | 中宮の入内は「絵合」巻。夕霧、十歳の頃である。 | |
1.6.5 | 注釈67 | 【宰相の君、内侍など】 | 宰相の君、内侍、いずれも女房。 | |
第二章 光源氏の物語 六条院の女方を見舞う物語 |
||||
第一段 源氏、中宮を見舞う |
||||
2.1.2 | 注釈68 | 【荒き風をも】 | 以下「はべりぬる」まで、夕霧の詞。中宮の返事。 | |
2.1.4 | 注釈69 | 【あやしく】 | 以下「思いつらむ」まで、源氏の詞。 | |
2.1.5 | 注釈70 | 【短き御几帳】 | 以下「こそはあらめ」まで、夕霧の眼を通して語る。 | |
2.1.7 | 注釈71 | 【中将の朝けの姿は】 | 以下「心の闇にや」まで、源氏の詞。「わが背子が朝明の姿よく見ずて今日のあひだを恋ひ暮らすかも」(万葉集巻十二、二八五二、読人知らず)。「人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな」(後撰集雑一、一一〇二、藤原兼輔)。 | |
2.1.8 | 注釈72 | 【わが御顔は、古りがたくよしと見たまふべかめり】 | 語り手の批評。 | |
2.1.9 | 注釈73 | 【宮に】 | 以下「おはするや」まで、源氏の詞。 | |
2.1.11 | 注釈74 | 【昨日】 | 以下「開きたりしによ」まで、源氏の詞。 | |
2.1.13 | 注釈75 | 【いかでか】 | 以下「せざりしものを」まで、紫上の詞。 | |
2.1.15 | 注釈76 | 【なほ、あやし】 | 源氏の独語。 | |
2.1.15 | 注釈77 | 【渡りたまひぬ】 | 中宮の御殿へ。 | |
第二段 源氏、明石御方を見舞う |
||||
2.2.1 | 注釈78 | 【こなたより】 | 中宮の秋の御殿。 | |
2.2.1 | 注釈79 | 【とかく引き出で尋ぬるなるべし】 | 語り手の想像。 | |
2.2.2 | 注釈80 | 【いといたし】 | 語り手の感想。 | |
2.2.2 | 注釈81 | 【心やましげなり】 | 語り手の感想。 | |
2.2.3 | 注釈82 | 【おほかたに荻の葉過ぐる風の音も--憂き身ひとつにしむ心地して】 | 明石御方の独詠歌。「いとどしく物思ふ宿の荻の葉に秋と告げつる風のわびしさ」(後撰集秋上、二二〇、読人しらず)。 | |
第三段 源氏、玉鬘を見舞う |
||||
2.3.1 | 注釈83 | 【西の対】 | 花散里の東の御殿の西の対、玉鬘が住む。 | |
2.3.2 | 注釈84 | 【ことことしく前駆、な追ひそ】 | 源氏の詞。 | |
2.3.3 | 注釈85 | 【聞こえ戯れ】 | 源氏が玉鬘に。 | |
2.3.3 | 注釈86 | 【うたてと思ひて】 | 主語は玉鬘。 | |
2.3.4 | 注釈87 | 【かう心憂ければこそ】 | 以下「はべりつれ」まで、玉鬘の詞。 | |
2.3.6 | 注釈88 | 【風につきて】 | 以下「ことわりや」まで、源氏の詞。 | |
2.3.8 | 注釈89 | 【げに】 | 以下「聞こえてけるかな」まで、玉鬘の心。 | |
第四段 夕霧、源氏と玉鬘を垣間見る |
||||
2.4.1 | 注釈90 | 【いかでこの御容貌見てしがな】 | 夕霧の心。 | |
2.4.2 | 注釈91 | 【あやしのわざや】 | 以下「近かべきほどは」まで、夕霧の心。 | |
2.4.3 | 注釈92 | 【見やつけたまはむ】 | 夕霧の心。 | |
2.4.3 | 注釈93 | 【柱隠れに】 | 以下、夕霧の視点で語られる。 | |
2.4.4 | 注釈94 | 【ことと馴れ馴れしきに】 | 以下「あな疎まし」まで、夕霧の心を通して語られる。 | |
2.4.5 | 注釈95 | 【と思ふ心も恥づかし】 | 夕霧の性格に対する語り手の批評。 | |
2.4.5 | 注釈96 | 【女の御さま】 | 以下「異腹ぞかし」まで夕霧の心。 | |
2.4.5 | 注釈97 | 【などか、心あやまりもせざらむ】 | 夕霧の心。 | |
2.4.6 | 注釈98 | 【昨日見し御けはひには、け劣りたれど】 | 地の文でありながら、夕霧の判断を含ませた心の文と一体化した文章。 | |
2.4.6 | 注釈99 | 【折にあはぬよそへどもなれど】 | 以下「たとへむ方なきものなりけり」まで、夕霧の譬喩が今の季節に合わないとする語り手の批評。 | |
2.4.7 | 注釈100 | 【いかがあらむ】 | 語り手の推測。 | |
2.4.7 | 注釈101 | 【女君】 | 玉鬘。 | |
2.4.8 | 注釈102 | 【吹き乱る風のけしきに女郎花--しをれしぬべき心地こそすれ】 | 玉鬘の和歌。「濡れ濡れも明けばまづ見む宮城野のもとあらの萩はしをれぬらむ」(長能集、一三) | |
2.4.9 | 注釈103 | 【うち誦じたまふ】 | 源氏が玉鬘の歌を。 | |
2.4.9 | 注釈104 | 【なほ見果てまほしけれど】 | 夕霧の心を語り手が忖度。 | |
2.4.9 | 注釈105 | 【近かりけりと見えたてまつらじ】 | 夕霧の心。 | |
2.4.11 | 注釈106 | 【下露になびかましかば女郎花--荒き風にはしをれざらまし】 | 源氏の返歌。「女郎花」「風」「しをれ」の語句を受けて返す。 | |
2.4.13 | 注釈107 | 【など、ひが耳にやありけむ、聞きよくもあらずぞ】 | 源氏の返歌があまり上手な出来でないとする語り手の批評。 | |
第五段 源氏、花散里を見舞う |
||||
2.5.1 | 注釈108 | 【東の御方へ】 | 花散里のお部屋。 | |
2.5.1 | 注釈109 | 【これより】 | 玉鬘の居所から。夏の御殿の西の対の文殿を改造した部屋。 | |
2.5.1 | 注釈110 | 【うちとけわざにや】 | 源氏の眼を通して語られる。 | |
2.5.2 | 注釈111 | 【中将の下襲か】 | 以下「秋なめり」まで、源氏の花散里への詞。 | |
2.5.3 | 注釈112 | 【何にかあらむ】 | 源氏と語り手が一体化した推測。 | |
2.5.3 | 注釈113 | 【かやうなる方は、南の上にも劣らずかし】 | 源氏の心内。花散里の裁縫染色の技量が南の上(紫の上)にも劣らないことを認める。 | |
2.5.4 | 注釈114 | 【中将にこそ】 | 以下「めやすかめり」まで、源氏の花散里への詞。 | |
2.5.5 | 注釈115 | 【などやうのことを】 | 語り手の概括の加わった表現。 | |
第三章 夕霧の物語 幼恋の物語 |
||||
第一段 夕霧、雲井雁に手紙を書く |
||||
3.1.1 | 注釈116 | 【姫君の御方】 | 明石の姫君のお部屋。 | |
3.1.2 | 注釈117 | 【まだあなたに】 | 以下「上がりたまはざりつる」まで、乳母の詞。 | |
3.1.2 | 注釈118 | 【え--ざりつる】 | 「え」(副詞)--打消しの助動詞「ず」の構文。不可能の意を表す。 | |
3.1.4 | 注釈119 | 【もの騒がしげ】 | 以下「いかがおはすらむ」まで、夕霧の詞。 | |
3.1.4 | 注釈120 | 【思ひたまへしを】 | 謙譲の補助動詞「たまへ」下二段活用。 | |
3.1.6 | 注釈121 | 【扇の風だに】 | 以下「わびにてはべり」まで、女房の詞。 | |
3.1.7 | 注釈122 | 【ことことしからぬ】 | 以下「御局の硯」まで、夕霧の詞。 | |
3.1.9 | 注釈123 | 【いな、これはかたはらいたし】 | 夕霧の詞。 | |
3.1.10 | 注釈124 | 【北の御殿】 | 明石の御方。 | |
3.1.11 | 注釈125 | 【紫の薄様なりけり】 | 以下「ものしたまへ」まで、語り手の評。 | |
3.1.12 | 注釈126 | 【風騒ぎむら雲まがふ夕べにも--忘るる間なく忘られぬ君】 | 夕霧から雲井雁への贈歌。 | |
3.1.13 | 注釈127 | 【吹き乱れたる苅萱】 | 「まめなれどよき名も立たず刈萱のいざ乱れなむしどろもどろに」(古今六帖六、刈萱、三七八五)を踏まえて、共寝してみたいと詠んで贈った。 | |
3.1.14 | 注釈128 | 【交野の少将は】 | 以下「ととのへはべりりけれ」まで、女房の詞。 | |
3.1.15 | 注釈129 | 【さばかりの色も】 | 以下「花よ」まで、夕霧の詞。 | |
3.1.15 | 注釈130 | 【いづこの野辺のほとりの花】 | 引歌があるか、未詳。 | |
3.1.17 | 注釈131 | 【馬の助に】 | 夕霧の側近。 | |
第二段 夕霧、明石姫君を垣間見る |
||||
3.2.1 | 注釈132 | 【渡らせたまふ】 | 「せ」(尊敬の助動詞)+「たまふ」(尊敬の補助動詞)、最高敬語。主語は、明石姫君。 | |
3.2.1 | 注釈133 | 【もののそばより】 | 以下、夕霧の目を通して語られる明石姫君。 | |
3.2.2 | 注釈134 | 【髪のまだ丈には】 | 明石姫君、八歳。 | |
3.2.3 | 注釈135 | 【一昨年ばかりは】 | 以下「いかならむ」まで、夕霧の心。 | |
3.2.3 | 注釈136 | 【かの見つる先々の、桜、山吹】 | 以下「あるかし」まで、夕霧の心。「桜」は紫の上、「山吹」は玉鬘をさす。 | |
3.2.3 | 注釈137 | 【これは】 | 明石姫君。 | |
3.2.3 | 注釈138 | 【かかる人びとを】 | 以下「つらけれ」まで、夕霧の心。 | |
第三段 内大臣、大宮を訪う |
||||
3.3.1 | 注釈139 | 【祖母宮の御もとに】 | 三条宮邸の祖母宮。 | |
3.3.2 | 注釈140 | 【御物語など聞こえたまふ】 | 内大臣と大宮との会話。夕霧はこの場面にいない。 | |
3.3.3 | 注釈141 | 【姫君を】 | 以下「あさましきこと」まで、大宮の詞。姫君とは雲居雁。 | |
3.3.5 | 注釈142 | 【今このごろのほどに】 | 以下「尽くされはべりける」まで、内大臣の詞。 | |
3.3.6 | 注釈143 | 【心憂くて】 | 大宮の心。 | |
3.3.7 | 注釈144 | 【いと不調なる娘】 | 以下「もてわづらひはべりぬ」まで、内大臣の詞。近江の君のこと。 | |
3.3.9 | 注釈145 | 【いで、あやし】 | 以下「やうやある」まで、大宮の詞、皮肉を含む。 | |
3.3.11 | 注釈146 | 【それなむ】 | 以下「御覧ぜさせむ」まで、内大臣の詞。 | |
3.3.12 | 注釈147 | 【聞こえたまふとや】 | 語り手が伝聞したということを表した形。 | |
著作権 |
|
関連ファイル | ||
---|---|---|
種類 | ファイル | 備考 |
XMLデータ | genji28.xml |
このページに示した情報を保持するXML形式のデータファイルです。
このファイルは再編集プログラムによって2024年11月11日に出力されました。 源氏物語の世界 再編集プログラム Ver. 4.05: Copyright (c) 2003,2024 宮脇文経 ライセンスはGFDL(GNU Free Documentation License)に従うフリードキュメントとします。 ただし、著作権を表示した部分では、その著作権者のライセンスにも従うものとします。 |
XSLT | notesNN.html.xsl.xml Copyrights.xsl.xml |
このページを生成するためにXMLデータファイルと組み合わせて使用するXSLTファイルで、再編集プログラムを構成するコンポーネントの1つです。 再編集プログラムは GPL(GNU General Public License) に従うフリーソフトです。 源氏物語の世界 再編集プログラム Ver. 4.05: Copyright (c) 2003,2024 宮脇文経 |