第十帖 賢木
光る源氏の二十三歳秋九月から二十五歳夏まで近衛大将時代の物語
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この帖の主な登場人物 |
登場人物 |
読み |
呼称 |
備考 |
光る源氏 |
ひかるげんじ |
大将殿
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二十五歳;参議兼近衛右大将 |
花散里 |
はなちるさと |
三の君
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麗景殿女御の妹;源氏の恋人 |
麗景殿女御 |
れいけいでんのにょうご |
麗景殿 女御
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故桐壺院の女御 |
惟光 |
これみつ |
惟光
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源氏の乳母子 |
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# |
段名 |
和歌 |
挿絵 |
1 |
第一章 六条御息所の物語 秋の別れと伊勢下向の物語
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1.1 |
第一段 六条御息所、伊勢下向を決意
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1.2 |
第二段 野の宮訪問と暁の別れ
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1.2.17 |
「神垣はしるしの杉もなきものを いかにまがへて折れる榊ぞ」
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1.2.19 |
「少女子があたりと思へば榊葉の 香をなつかしみとめてこそ折れ」
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1.2.27 |
「暁の別れはいつも露けきを こは世に知らぬ秋の空かな」
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1.2.30 |
「おほかたの秋の別れも悲しきに 鳴く音な添へそ野辺の松虫」
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1.3 |
第三段 伊勢下向の日決定
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1.4 |
第四段 斎宮、宮中へ向かう
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1.4.3 |
八洲もる国つ御神も心あらば 飽かぬ別れの仲をことわれ
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1.4.6 |
「国つ神空にことわる仲ならば なほざりごとをまづや糾さむ」
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1.5 |
第五段 斎宮、伊勢へ向かう
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1.5.3 |
「そのかみを今日はかけじと忍ぶれど 心のうちにものぞ悲しき」
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1.5.7 |
「振り捨てて今日は行くとも鈴鹿川 八十瀬の波に袖は濡れじや」
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1.5.9 |
「鈴鹿川八十瀬の波に濡れ濡れず 伊勢まで誰れか思ひおこせむ」
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1.5.12 |
「行く方を眺めもやらむこの秋は 逢坂山を霧な隔てそ」
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2 |
第二章 光る源氏の物語 父桐壺帝の崩御
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2.1 |
第一段 十月、桐壺院、重体となる
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2.2 |
第二段 十一月一日、桐壺院、崩御
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2.2.6 |
「蔭ひろみ頼みし松や枯れにけむ 下葉散りゆく年の暮かな」
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2.2.8 |
「さえわたる池の鏡のさやけきに 見なれし影を見ぬぞ悲しき」
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2.2.10 |
「年暮れて岩井の水もこほりとぢ 見し人影のあせもゆくかな」
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2.3 |
第三段 諒闇の新年となる
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2.4 |
第四段 源氏朧月夜と逢瀬を重ねる
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2.4.10 |
「心からかたがた袖を濡らすかな 明くと教ふる声につけても」
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2.4.12 |
「嘆きつつわが世はかくて過ぐせとや 胸のあくべき時ぞともなく」
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3 |
第三章 藤壺の物語 塗籠事件
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3.1 |
第一段 源氏、再び藤壺に迫る
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3.1.23 |
「逢ふことのかたきを今日に限らずは 今幾世をか嘆きつつ経む
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3.1.26 |
「長き世の恨みを人に残しても かつは心をあだと知らなむ」
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3.2 |
第二段 藤壺、出家を決意
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4 |
第四章 光る源氏の物語 雲林院参籠
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4.1 |
第一段 秋、雲林院に参籠
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4.1.11 |
「浅茅生の露のやどりに君をおきて 四方の嵐ぞ静心なき」
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4.1.13 |
「風吹けばまづぞ乱るる色変はる 浅茅が露にかかるささがに」
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4.2 |
第二段 朝顔斎院と和歌を贈答
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4.2.4 |
「かけまくはかしこけれどもそのかみの 秋思ほゆる木綿欅かな
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4.2.10 |
「そのかみやいかがはありし木綿欅 心にかけてしのぶらむゆゑ
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4.3 |
第三段 源氏、二条院に帰邸
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4.4 |
第四段 朱雀帝と対面
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4.5 |
第五段 藤壺に挨拶
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4.5.4 |
「九重に霧や隔つる雲の上の 月をはるかに思ひやるかな」
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4.5.6 |
「月影は見し世の秋に変はらぬを 隔つる霧のつらくもあるかな
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4.6 |
第六段 初冬のころ、源氏朧月夜と和歌贈答
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4.6.3 |
「木枯の吹くにつけつつ待ちし間に おぼつかなさのころも経にけり」
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4.6.6 |
あひ見ずてしのぶるころの涙をも なべての空の時雨とや見る
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5 |
第五章 藤壺の物語 法華八講主催と出家
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5.1 |
第一段 十一月一日、故桐壺院の御国忌
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5.1.3 |
「別れにし今日は来れども見し人に 行き逢ふほどをいつと頼まむ」
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5.1.5 |
「ながらふるほどは憂けれど行きめぐり 今日はその世に逢ふ心地して」
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5.2 |
第二段 十二月十日過ぎ、藤壺、法華八講主催の後、出家す
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5.2.16 |
「月のすむ雲居をかけて慕ふとも この世の闇になほや惑はむ
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5.2.19 |
「おほふかたの憂きにつけては厭へども いつかこの世を背き果つべき
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5.3 |
第三段 後に残された源氏
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6 |
第六章 光る源氏の物語 寂寥の日々
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6.1 |
第一段 諒闇明けの新年を迎える
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6.1.5 |
「ながめかる海人のすみかと見るからに まづしほたるる松が浦島」
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6.1.7 |
「ありし世のなごりだになき浦島に 立ち寄る波のめづらしきかな」
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6.2 |
第二段 源氏一派の人々の不遇
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6.3 |
第三段 韻塞ぎに無聊を送る
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6.3.10 |
「それもがと今朝開けたる初花に 劣らぬ君が匂ひをぞ見る」
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6.3.12 |
「時ならで今朝咲く花は夏の雨に しをれにけらし匂ふほどなく
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7 |
第七章 朧月夜の物語 村雨の紛れの密会露見
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7.1 |
第一段 源氏、朧月夜と密会中、右大臣に発見される
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7.2 |
第二段 右大臣、源氏追放を画策する
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