第五十一帖 浮舟
薫君の大納言時代二十六歳十二月から二十七歳の春雨の降り続く三月頃までの物語
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この帖の主な登場人物 |
登場人物 |
読み |
呼称 |
備考 |
薫 |
かおる |
大将殿 大将 大将の君 殿 君
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源氏の子 |
匂宮 |
におうのみや |
兵部卿宮 宮 親王
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今上帝の第三親王 |
今上帝 |
きんじょうてい |
帝 内裏 主上
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朱雀院の第一親王 |
明石中宮 |
あかしのちゅうぐう |
大宮 后の宮 后 宮
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源氏の娘 |
夕霧 |
ゆうぎり |
左大臣殿 左の大殿 右の大殿 父大臣
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源氏の長男 |
女一の宮 |
おんないちのみや |
姫宮 一品の宮
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今上帝の第一内親王 |
女二の宮 |
おんなにのみや |
二の宮 女宮 帝の御女
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今上帝の第二内親王 |
中君 |
なかのきみ |
宮の上 御二条の北の方 対の御方 女君
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八の宮の二女 |
宮の君 |
みやのきみ |
御女 姫君 女君
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蜻蛉宮の姫君 |
浮舟 |
うきふね |
守の娘 御妹 上 女君 君 女
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八の宮の三女 |
常陸介 |
ひたちのすけ |
常陸守 常陸前守 守
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浮舟の継父 |
中将の君 |
ちゅうじょうのきみ |
母君 御母 親 母
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浮舟の母 |
右近 |
うこん |
右近
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浮舟の乳母子 |
時方 |
ときかた |
御使 大夫
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匂宮の従者 |
大蔵大輔 |
おおくらのたいふ |
御使 大蔵大夫
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薫の家司;道定の妻の父親 |
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# |
段名 |
和歌 |
挿絵 |
1 |
第一章 匂宮の物語 匂宮、大内記から薫と浮舟の関係を聞き知る
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1.1 |
第一段 匂宮、浮舟を追想し、中君を恨む
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1.2 |
第二段 薫、浮舟を宇治に放置
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1.3 |
第三段 薫と中君の仲
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1.4 |
第四段 正月、宇治から京の中君への文
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1.5 |
第五段 匂宮、手紙の主を浮舟と察知す
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1.5.11 |
「まだ古りぬ物にはあれど君がため 深き心に待つと知らなむ」
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1.6 |
第六段 匂宮、大内記から薫と浮舟の関係を知る
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1.7 |
第七段 匂宮、薫の噂を聞き知り喜ぶ
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2 |
第二章 浮舟と匂宮の物語 匂宮、薫の声をまねて浮舟の寝所に忍び込む
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2.1 |
第一段 匂宮、宇治行きを大内記に相談
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2.2 |
第二段 宮、馬で宇治へ赴く
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2.3 |
第三段 匂宮、浮舟とその女房らを覗き見る
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2.4 |
第四段 匂宮、薫の声をまねて浮舟の寝所に忍び込む
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2.5 |
第五段 翌朝、匂宮、京へ帰らず居座る
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2.6 |
第六段 右近、匂宮と浮舟の密事を隠蔽す
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2.7 |
第七段 右近、浮舟の母の使者の迎えを断わる
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2.8 |
第八段 匂宮と浮舟、一日仲睦まじく過ごす
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2.8.9 |
「長き世を頼めてもなほ悲しきは ただ明日知らぬ命なりけり
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2.8.12 |
「心をば嘆かざらまし命のみ 定めなき世と思はましかば」
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2.9 |
第九段 翌朝、匂宮、京へ帰る
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2.9.14 |
「世に知らず惑ふべきかな先に立つ 涙も道をかきくらしつつ」
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2.9.16 |
「涙をもほどなき袖にせきかねて いかに別れをとどむべき身ぞ」
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3 |
第三章 浮舟と薫の物語 薫と浮舟、宇治橋の和歌を詠み交す
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3.1 |
第一段 匂宮、二条院に帰邸し、中君を責める
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3.2 |
第二段 明石中宮からと薫の見舞い
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3.3 |
第三段 二月上旬、薫、宇治へ行く
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3.4 |
第四段 薫と浮舟、それぞれの思い
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3.5 |
第五段 薫と浮舟、宇治橋の和歌を詠み交す
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3.5.3 |
「宇治橋の長き契りは朽ちせじを 危ぶむ方に心騒ぐな
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3.5.6 |
「絶え間のみ世には危ふき宇治橋を 朽ちせぬものとなほ頼めとや」
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4 |
第四章 浮舟と匂宮の物語 匂宮と浮舟、橘の小島の和歌を詠み交す
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4.1 |
第一段 二月十日、宮中の詩会催される
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4.2 |
第二段 匂宮、雪の山道の宇治へ行く
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4.3 |
第三段 宮と浮舟、橘の小島の和歌を詠み交す
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4.3.12 |
「年経とも変はらむものか橘の 小島の崎に契る心は」
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4.3.14 |
「橘の小島の色は変はらじを この浮舟ぞ行方知られぬ」
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4.4 |
第四段 匂宮、浮舟に心奪われる
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4.5 |
第五段 匂宮、浮舟と一日を過ごす
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4.5.6 |
「峰の雪みぎはの氷踏み分けて 君にぞ惑ふ道は惑はず
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4.5.9 |
「降り乱れみぎはに凍る雪よりも 中空にてぞ我は消ぬべき」
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4.6 |
第六段 匂宮、京へ帰り立つ
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4.7 |
第七段 匂宮、二条院に帰邸後、病に臥す
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5 |
第五章 浮舟の物語 浮舟、恋の板ばさみに、入水を思う
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5.1 |
第一段 春雨の続く頃、匂宮から手紙が届く
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5.1.2 |
「眺めやるそなたの雲も見えぬまで 空さへ暮るるころのわびしさ」
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5.2 |
第二段 その同じ頃、薫からも手紙が届く
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5.2.11 |
「水まさる遠方の里人いかならむ 晴れぬ長雨にかき暮らすころ
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5.2.18 |
「里の名をわが身に知れば山城の 宇治のわたりぞいとど住み憂き」
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5.2.20 |
「かき暮らし晴れせぬ峰の雨雲に 浮きて世をふる身をもなさばや
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5.2.24 |
「つれづれと身を知る雨の小止まねば 袖さへいとどみかさまさりて」
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5.3 |
第三段 匂宮、薫の浮舟を新築邸に移すことを知る
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5.4 |
第四段 浮舟の母、京から宇治に来る
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5.5 |
第五段 浮舟、母と尼の話から、入水を思う
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5.6 |
第六段 浮舟、母と尼の話から、入水を思う
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5.7 |
第七段 浮舟の母、帰京す
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6 |
第六章 浮舟と薫の物語 浮舟、右近の姉の悲話から死を願う
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6.1 |
第一段 薫と匂宮の使者同士出くわす
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6.2 |
第二段 薫、匂宮が女からの文を読んでいるのを見る
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6.3 |
第三段 薫、随身から匂宮と浮舟の関係を知らされる
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6.4 |
第四段 薫、帰邸の道中、思い乱れる
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6.5 |
第五段 薫、宇治へ随身を遣わす
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6.5.10 |
「波越ゆるころとも知らず末の松 待つらむとのみ思ひけるかな
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6.6 |
第六段 右近と侍従、右近の姉の悲話を語る
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6.7 |
第七段 浮舟、右近の姉の悲話から死を願う
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7 |
第七章 浮舟の物語 浮舟、匂宮にも逢わず、母へ告別の和歌を詠み残す
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7.1 |
第一段 内舎人、薫の伝言を右近に伝える
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7.2 |
第二段 浮舟、死を決意して、文を処分す
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7.3 |
第三段 三月二十日過ぎ、浮舟、匂宮を思い泣く
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7.4 |
第四段 匂宮、宇治へ行く
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7.5 |
第五段 匂宮、浮舟に逢えず帰京す
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7.5.13 |
「いづくにか身をば捨てむと白雲の かからぬ山も泣く泣くぞ行く
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7.6 |
第六段 浮舟の今生の思い
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7.6.4 |
「嘆きわび身をば捨つとも亡き影に 憂き名流さむことをこそ思へ」
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7.7 |
第七段 京から母の手紙が届く
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7.7.2 |
「からをだに憂き世の中にとどめずは いづこをはかと君も恨みむ」
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7.8 |
第八段 浮舟、母への告別の和歌を詠み残す
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7.8.2 |
「後にまたあひ見むことを思はなむ この世の夢に心惑はで」
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7.8.4 |
「鐘の音の絶ゆる響きに音を添へて わが世尽きぬと君に伝へよ」
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