第一章 光る源氏の物語 逝く春と離別の物語
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目次 |
和歌 |
絵 |
第一段 源氏、須磨退去を決意
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第二段 左大臣邸に離京の挨拶
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22行 | 鳥辺山燃えし煙もまがふやと 海人の塩焼く浦見にぞ行く |
33行 | 亡き人の別れやいとど隔たらむ 煙となりし雲居ならでは |
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第三段 二条院の人々との離別
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17行 | 身はかくてさすらへぬとも君があたり 去らぬ鏡の影は離れじ |
19行 | 別れても影だにとまるものならば 鏡を見ても慰めてまし |
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第四段 花散里邸に離京の挨拶
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9行 | 月影の宿れる袖はせばくとも とめても見ばやあかぬ光を |
11行 | 行きめぐりつひにすむべき月影の しばし雲らむ空な眺めそ |
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第五段 旅生活の準備と身辺整理
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10行 | 逢ふ瀬なき涙の河に沈みしや 流るる澪の初めなりけむ |
14行 | 涙河浮かぶ水泡も消えぬべし 流れて後の瀬をも待たずて |
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第六段 藤壺に離京の挨拶
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8行 | 見しはなくあるは悲しき世の果てを 背きしかひもなくなくぞ経る |
10行 | 別れしに悲しきことは尽きにしを またぞこの世の憂さはまされる |
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第七段 桐壺院の御墓に離京の挨拶
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3行 | ひき連れて葵かざししそのかみを 思へばつらし賀茂の瑞垣 |
6行 | 憂き世をば今ぞ別るるとどまらむ 名をば糺の神にまかせて |
10行 | 亡き影やいかが見るらむよそへつつ 眺むる月も雲隠れぬる |
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第八段 東宮に離京の挨拶
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3行 | いつかまた春の都の花を見む 時失へる山賤にして |
11行 | 咲きてとく散るは憂けれどゆく春は 花の都を立ち帰り見よ |
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第九段 離京の当日
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4行 | 生ける世の別れを知らで契りつつ 命を人に限りけるかな |
7行 | 惜しからぬ命に代へて目の前の 別れをしばしとどめてしがな |
10行 | 唐国に名を残しける人よりも 行方知られぬ家居をやせむ |
12行 | 故郷を峰の霞は隔つれど 眺むる空は同じ雲居か |
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第二章 光る源氏の物語 夏の長雨と鬱屈の物語
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目次 |
和歌 |
絵 |
第一段 須磨の住居
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第二段 京の人々へ手紙
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3行 | 松島の海人の苫屋もいかならむ 須磨の浦人しほたるるころ |
7行 | こりずまの浦のみるめのゆかしきを 塩焼く海人やいかが思はむ |
16行 | 塩垂るることをやくにて松島に 年ふる海人も嘆きをぞつむ |
18行 | 浦にたく海人だにつつむ恋なれば くゆる煙よ行く方ぞなき |
22行 | 浦人の潮くむ袖に比べ見よ 波路へだつる夜の衣を |
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第三段 伊勢の御息所へ手紙
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3行 | うきめかる伊勢をの海人を思ひやれ 藻塩垂るてふ須磨の浦にて |
6行 | 伊勢島や潮干の潟に漁りても いふかひなきは我が身なりけり |
11行 | 伊勢人の波の上漕ぐ小舟にも うきめは刈らで乗らましものを |
12行 | 海人がつむなげきのなかに塩垂れて いつまで須磨の浦に眺めむ |
16行 | 荒れまさる軒のしのぶを眺めつつ しげくも露のかかる袖かな |
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第四段 朧月夜尚侍参内する
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第三章 光る源氏の物語 須磨の秋の物語
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目次 |
和歌 |
絵 |
第一段 須磨の秋
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3行 | 恋ひわびて泣く音にまがふ浦波は 思ふ方より風や吹くらむ |
13行 | 初雁は恋しき人の列なれや 旅の空飛ぶ声の悲しき |
15行 | かきつらね昔のことぞ思ほゆる 雁はその世の友ならねども |
17行 | 心から常世を捨てて鳴く雁を 雲のよそにも思ひけるかな |
19行 | 常世出でて旅の空なる雁がねも 列に遅れぬほどぞ慰む |
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第二段 配所の月を眺める
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6行 | 見るほどぞしばし慰むめぐりあはむ 月の都は遥かなれども |
10行 | 憂しとのみひとへにものは思ほえで 左右にも濡るる袖かな |
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第三段 筑紫五節と和歌贈答
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8行 | 琴の音に弾きとめらるる綱手縄 たゆたふ心君知るらめや |
11行 | 心ありて引き手の綱のたゆたはば うち過ぎましや須磨の浦波 |
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第四段 都の人々の生活
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第五段 須磨の生活
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2行 | 山賤の庵に焚けるしばしばも 言問ひ来なむ恋ふる里人 |
10行 | いづ方の雲路に我も迷ひなむ 月の見るらむことも恥づかし |
12行 | 友千鳥諸声に鳴く暁は ひとり寝覚の床も頼もし |
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第六段 明石入道の娘
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第四章 光る源氏の物語 信仰生活と神の啓示の物語
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目次 |
和歌 |
絵 |
第一段 須磨で新年を迎える
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3行 | いつとなく大宮人の恋しきに 桜かざしし今日も来にけり |
17行 | 故郷をいづれの春か行きて見む うらやましきは帰る雁がね |
19行 | あかなくに雁の常世を立ち別れ 花の都に道や惑はむ |
28行 | 雲近く飛び交ふ鶴も空に見よ 我は春日の曇りなき身ぞ |
31行 | たづかなき雲居にひとり音をぞ鳴く 翼並べし友を恋ひつつ |
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第二段 上巳の祓と嵐
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4行 | 知らざりし大海の原に流れ来て ひとかたにやはものは悲しき |
7行 | 八百よろづ神もあはれと思ふらむ 犯せる罪のそれとなければ |
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