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第四十七帖 総角


薫君の中納言時代二十四歳秋から歳末までの物語

この帖の主な登場人物
登場人物読み呼称備考
かおる 中納言
中納言殿
中納言の君
客人
殿
源氏の子
匂宮 におうのみや 兵部卿宮

今上帝の第三親王
今上帝 きんじょうてい
主上
内裏
朱雀院の御子
大君 おおいきみ 姉宮
姫宮
姫君
女君
八の宮の長女
中君 なかのきみ 中の宮

女君
御方
山里人
八の宮の二女
明石中宮 あかしのちゅうぐう 后宮
中宮
大宮
匂宮の母

心をば火の思ひもて焼かましと
願ひき身をば煙にぞする     (晶子)

第一章 大君の物語 薫と大君の実事なき暁の別れ

目次 和歌

第一段 秋、八の宮の一周忌の準備

第二段 薫、大君に恋心を訴える
2行あげまきに長き契りを結びこめ
同じ所に縒りも会はなむ
4行ぬきもあへずもろき涙の玉の緒に
長き契りをいかが結ばむ
1行

第三段 薫、弁を呼び出して語る

第四段 薫、弁を呼び出して語る(続き)

第五段 薫、大君の寝所に迫る

第六段 薫、大君をかき口説く

第七段 実事なく朝を迎える
13行山里のあはれ知らるる声々に
とりあつめたる朝ぼらけかな
15行鳥の音も聞こえぬ山と思ひしを
世の憂きことは訪ね来にけり
5行

第八段 大君、妹の中の君を薫にと思う

第二章 大君の物語 大君、中の君を残して逃れる

目次 和歌

第一段 一周忌終り、薫、宇治を訪問

第二段 大君、妹の中の君に薫を勧める

第三段 薫は帰らず、大君、苦悩す

第四段 大君、弁と相談する

第五段 大君、中の君を残して逃れる

第六段 薫、相手を中の君と知る

第七段 翌朝、それぞれの思い

第八段 薫と大君、和歌を詠み交す
2行おなじ枝を分きて染めける山姫に
いづれか深き色と問はばや
5行山姫の染むる心はわかねども
移ろふ方や深きなるらむ
3行

第三章 中の君の物語 中の君と匂宮との結婚

目次 和歌

第一段 薫、匂宮を訪問
7行女郎花咲ける大野をふせぎつつ
心せばくやしめを結ふらむ
9行霧深き朝の原の女郎花
心を寄せて見る人ぞ見る

第二段 彼岸の果ての日、薫、匂宮を宇治に伴う

第三段 薫、中の君を匂宮にと企む

第四段 薫、大君の寝所に迫る

第五段 薫、再び実事なく夜を明かす
2行しるべせし我やかへりて惑ふべき
心もゆかぬ明けぐれの道
5行かたがたにくらす心を思ひやれ
人やりならぬ道に惑はば

第六段 匂宮、中の君へ後朝の文を書く
3行世の常に思ひやすらむ露深き
道の笹原分けて来つるも

第七段 匂宮と中の君、結婚第二夜

第八段 匂宮と中の君、結婚第三夜
6行小夜衣着て馴れきとは言はずとも
かことばかりはかけずしもあらじ
9行隔てなき心ばかりは通ふとも
馴れし袖とはかけじとぞ思ふ

第四章 中の君の物語 匂宮と中の君、朝ぼらけの宇治川を見る

目次 和歌

第一段 明石中宮、匂宮の外出を諌める

第二段 薫、明石中宮に対面

第三段 女房たちと大君の思い

第四段 匂宮と中の君、朝ぼらけの宇治川を見る
3行

第五段 匂宮と中の君和歌を詠み交して別れる
2行中絶えむものならなくに橋姫の
片敷く袖や夜半に濡らさむ
4行絶えせじのわが頼みにや宇治橋の
遥けきなかを待ちわたるべき

第六段 九月十日、薫と匂宮、宇治へ行く

第七段 薫、大君に対面、実事なく朝を迎える

第八段 匂宮、中の君を重んじる

第五章 大君の物語 匂宮たちの紅葉狩り

目次 和歌

第一段 十月朔日頃、匂宮、宇治に紅葉狩り
2行

第二段 一行、和歌を唱和する
9行いつぞやも花の盛りに一目見し
木のもとさへや秋は寂しき
11行桜こそ思ひ知らすれ咲き匂ふ
花も紅葉も常ならぬ世を
13行いづこより秋は行きけむ山里の
紅葉の蔭は過ぎ憂きものを
15行見し人もなき山里の岩垣に
心長くも這へる葛かな
18行秋はてて寂しさまさる木のもとを
吹きな過ぐしそ峰の松風

第三段 大君と中の君の思い

第四段 大君の思い

第五段 匂宮の禁足、薫の後悔

第六段 時雨降る日、匂宮宇治の中の君を思う
8行若草のね見むものとは思はねど
むすぼほれたる心地こそすれ

第六章 大君の物語 大君の病気と薫の看護

目次 和歌

第一段 薫、大君の病気を知る

第二段 大君、匂宮と六の君の婚約を知る

第三段 中の君、昼寝の夢から覚める

第四段 十月の晦、匂宮から手紙が届く
9行眺むるは同じ雲居をいかなれば
おぼつかなさを添ふる時雨ぞ
12行霰降る深山の里は朝夕に
眺むる空もかきくらしつつ

第五段 薫、大君を見舞う

第六段 薫、大君を看護する

第七段 阿闍梨、八の宮の夢を語る
13行霜さゆる汀の千鳥うちわびて
鳴く音悲しき朝ぼらけかな
15行暁の霜うち払ひ鳴く千鳥
もの思ふ人の心をや知る
6行

第八段 豊明の夜、薫と大君、京を思う
12行かき曇り日かげも見えぬ奥山に
心をくらすころにもあるかな

第九段 薫、大君に寄り添う

第七章 大君の物語 大君の死と薫の悲嘆

目次 和歌

第一段 大君、もの隠れゆくように死す

第二段 大君の火葬と薫の忌籠もり
1行

第三段 七日毎の法事と薫の悲嘆
2行くれなゐに落つる涙もかひなきは
形見の色を染めぬなりけり

第四段 雪の降る日、薫、大君を思う
2行おくれじと空ゆく月を慕ふかな
つひに住むべきこの世ならねば
4行恋ひわびて死ぬる薬のゆかしきに
雪の山にや跡を消なまし
2行

第五段 匂宮、雪の中、宇治へ弔問

第六段 匂宮と中の君、和歌を詠み交す
2行来し方を思ひ出づるもはかなきを
行く末かけてなに頼むらむ
4行行く末を短きものと思ひなば
目の前にだに背かざらなむ

第七段 歳暮に薫、宇治から帰京
このページは再編集プログラムによって2024/9/21に出力されました。
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